クレー射撃上達 虎の巻 §11 《コール》
O射撃場の大会が終わった。
80点台後半を撃つようになったAさんにしては
少し不本意な結果だったようだ。
「今日はコールの話をしてみようか、
スコアに直接影響はないだろうが、
今のコールの声はトーンが高く可愛らしい、これを
周りに威圧感を与えるコールの仕方に変えてみるといい」
「どういうこと?」
「丹田に“気”を集め、“ハアー”と出してみよう,
上手く表現できないが、自然に吐く息に声を乗せるという感じ、
“気合いを入れてデカイ声を出せ”というひともいるが、
これは初心者にありがちな発声時の上半身のブレを誘うこともある、
今はマイクの性能も良くなっているから、
無理に大きい声を出す必要はない、
むしろ、少し低めの落ち着いた〈俗な表現をすればドスの効いた〉声のほうが、
他の射手に威圧感を与える、ひとつの要因になる、
“可愛げが無い”と言われるかもしれないけれどね」
周りに“上手い射手ではなく、恐い謝手と思わせること”
昔、先輩に言われたことである。
これは競射の時に、かなり有利に働く。
「ウン、やってみる、
それと5番射台から1番射台に行くとき、
よく、大きく息を吐いているけど、なぜなの?」
「よく気がついたねえ、でもこのコールの仕方を憶えてからにしよう
一度に、あれもこれもは良くない、
ヒントは“息吹き”という空手の呼吸法」