クレー射撃上達虎の巻 《 パターンとショットコロン 》
北の山間部では、そろそろ雪の便りも聞かれる頃。
H射場でY君はBクラス優勝である。
祝勝会を兼ねて居酒屋で一杯会となった。
「スコアは悪くなかったけど、
クレーが2,3枚にポロッと割れるのが結構あったなァ、
1点は1点なんだけど」
「その次のクレーは外さなかった?」
「ん〜、よく憶えていないけれど、そう言えば」
「クレーが力無く2,3枚にポロッと割れた次のクレーは気を付けろ、
とは良く言われること、
ショットコロンと言うのを知ってるだろ」
「散弾粒の群れの長さの事だろ?」
「この絵をみて、次の瞬間を想像してみよう。
まず、図ー1、黄色は散弾のパターン、
クレーはパターンに向かって飛んでいるから、次の瞬間は?」
「割れる」
「半分正解」
「???なんでやねん???」
「図ー1は射手の方向からみたイメージ、
図ー2と図ー3は空の上からみた位置関係、
Aが散弾の群れの長さ、つまりショットコロン、
図ー2で、次の瞬間はクレーは見事に割れる、
でも図ー3では、すでに失中、
発射された散弾を射手の方からみた平面的なパターンだけで認識すると
図ー2も図ー3も同じ“狙い越し”ということになる」
「なるほど、散弾ていうのは、ただ縦横に広がるだけじゃなくて、
茶筒かフットボールみたいな形で飛んでいくんだ」
「これが解ると、クレーがポロッと割れる状況が理解できる
図ー4で、次の瞬間、クレーの前が僅かに割れる、図ー5は?」
「クレーの後ろ半分がポロッと割れる」
「正解、このほかにパターンの上か下ギリギリにクレーが入った時もポロッとくる、
これはベンドの浅い、深い、頬付けの具合にもよる」
「弾の群れを平面じゃなくて、立体的に考えるってことか〜」
「オレも、全て初矢で取った満射もあるし、殆ど2の矢でとった満射もある、
その違いを考えた時、散弾を立体的に捉えることに気付いたのさ、
そうすると、ポロッと割れた次のクレーに向かう時の参考になる」