クレー射撃上達虎の巻 《 弾は狙った処にいかない?! 》
散撃銃、とりわけ我々の使っているトラップ銃は
照星で狙ったところに弾が行かないことは御存知だろうか?
クレーを割る距離は射台から約40ヤード(36メートル)前後、
友人T氏のところに丁度このくらいの長さの倉庫がある、
片側の壁の前に立ち、装弾の形をしたレーザーポインターを装填して
反対側(36メートル先)の壁にスタッフ(測量で使う定規)を立て1,5メートルの高さに
(これは公式クレーの一番低いセット<放出口から10メートルの位置で>)
それより30数㎝上の1、9メートルほどの処で光っている。
つまり、狙ったのは1,5メートルの高さでも、
弾の飛んでいったところは1,9メートルの処。
ベンドが高い銃であれば更に上を照らすはずだ。
ただ、この状態で発射しても40ヤードでのパターンはおよそ30インチ(75センチ)
だから辛うじてそのギリギリのところでクレーは割れる場合もある、
ただしパターンの密度が粗いため、2〜3枚にポロッと割れる。
ライフルは狙ったところに飛んでいくのだが、
それは目標が静止しているか、動いているかの違い、
仮に40ヤード先を水平に飛んでいるクレーがあるとしよう、
45度1.5メートルのセットがこれに近い、
もしライフルのように照星の延長線に弾が行くとすれば
クレーと照星をかさねて撃たなければならない、
この時、風でクレーが上下したら、とても狙いずらい。
そこでクレーの少し下をトレースしたほうがはるかに狙いやすい。
目標を狙っていないのに当たるって不思議な気がするが、、
トラップの射手は無意識にそれをやっている。
ということは、およそ射台から25メートル先の1〜1.2mの高さに銃を構えておけば、
高さ1,5メートルのストレートのクレーの場合、
放出が確認できた瞬間、引き金を引きさえすれば、
パターンの中心に向かってクレーが飛んできてくれる。
いつか「どうしてストレートがあんなに早くとれるのか?」と聞かれたことがあるが、これがその答え。
3番と8番セットにこのクレーがある。
これを確実にとることが、“あと1点上乗せ”に貢献する。
ちなみにこのポイントに銃を構えておくと、
概ね、どの方向、高さのクレーにも対応できる。
付け加えればこの40ヤードは下の銃身と上の銃身の延長線が
交わる(クロスポイント)という。
但し、どの程度上に行くかはメーカーや銃床のベンドの高低によって違いがあるから
パターンの中心でクレーを捉えるために
自分の銃で確認しておくべきである。