クレー射撃上達 虎の巻 《  “タメ”と“振り出し” 》


後輩のAさんがローカル大会ではあるが、80点後半のスコアをだした。



あと一歩で9割だ、しかし今までの射法だと、

この80点後半がひとつの壁になるかもしれない」

「どういうこと??」


「一昔前は、装弾が今の24グラムではなく、

32グラムだったのを知っているかな」

「聞いたことある」

「それを頭にいれて聞いて欲しい、


これはかなり大切な話だ、

今でも、そう言う人がいるが、

クレーが放出されたら、すぐに追わず、

その軌跡を確認して、ある程度クレーを飛ばしてから

銃を振り出し、追いついたら撃つ、

所謂“タメ”をつくる」


「アタシも、はじめはそう習った」


「しかし、装弾の量が減ったいまは、これが通用しない、

“タメ”の間にも当然クレーは遠ざかる、

散弾量が32グラムの時は多少距離が延びてもクレーは十分割れた、

然し、いまは散弾の量が25パーセントも少ない。

オリンピックワールドカップの選手をみればわかると思うが,

一昔前に比べ相当早くクレーを捉えている」


「タメは要らないっていうこと?」


近代射法では、クレーが出たら先ず、

方向とスピードを知覚し、

銃をその方向にゆっくりと振り出す、

そしてクレーを追いながら銃を加速し、

軌跡を正確に辿り、追いついたら撃つ、

ゆっくりと振り出すことで体のブレも防げる、

これは初矢は勿論、後矢を撃つときも有利だ、

この、ゆっくりと振りだす、ということが“タメ”の代わりになる」


これは私が、豊富な海外試合の経験をもつ,

S県の0氏に受けた手ほどきである。


0氏は当たらないからと言って、数多く撃つことを良しとしない。

常に“何故、当たらないか”を解明し、それを練習のテーマにして、

欠点の克服に努める。

さらに何故、日本のクレー射撃が、

海外の選手(男子)のレベルに追いつかないか常に研究を重ねている。


この射法をとりいれてから、スコアが安定したことを覚えている。

ただし、そのためには、スタンスの改善(別項で詳述)や、

基礎体力の強化は必須の条件である。


http://d.hatena.ne.jp/kumanoritan/20130203/1359883434



それにしても、ストレートの低いクレーを何故あんなに早くとれるの?

コールの声が終わらないうちに割れてる」


「それは別の機会に教えよう、

ヒントは銃を動かさずに撃つから、かな」

「???」