クレー射撃上達 虎の巻 §7 《 練習と試合 其の1》

 




クレー射撃では25枚のクレー(皿)を飛ばし、何枚撃ち落とすかを競う、

これを1ラウンドと呼ぶ。

ボーリングで言えば1ゲームである。

そのクレーを25枚全て撃ち落とすことを満射と呼ぶ、

ボーリングならばパーフェクトである。


Aさんから電話が入った、笑顔がわかるほど弾んだ声である。


大会前日の練習で満射を撃ったと言う。


この時、私は直感的に翌日の試合での“負け”を予想した。

おそらく、普段の平均に手がとどけば良いほうだろう、

下手をすれば、それ以下。

その理由は今は言わないほうが良い。

こう言う経験も必要なのだ。



今の日本の協議組織の体制で何故世界に通用する射手が育たないのか

(一部女子のトップシューターを除いて)を考えれば

自ずと答えはでるのだが。


 満射(天国)と、そのあとの負け(地獄)を味あわせたほうが

今後,より大きく成長する糧となる。


意気揚々と試合に臨んだAさんだが、


結果は案の定“惨敗”であった(少なくともAさんにとって)

そして,

練習と試合の違い”という、口に苦い良薬


いつもの居酒屋で残念会?


「いいかい、試合は絶対にベストの状態で臨んではいけない」(少し、先輩面をして)

「何故?」

練習の最大の成果を出すのが試合、その成果つまり

ピークを練習で出したらそのあとはどうなる?」


「下降線ってコト?」


「正解、つまり試合は昇り坂の状態で迎えなければならない、

幸か不幸か、前日の練習で満射という最高の状態を作ってしまった」


「だから試合でも満射を出せると思った」


「確かに適切な練習のおかげで技量は上がった、

でも試合に勝つために必要なことは技量だけではない、

これが、このスポーツの奥の深いところでもある」


「でも、モチベーションも最高にあがっていたのに」

少し怪訝そうな顔をしている。

「この次に面白い話を聞かせよう」


おそらく、今は“何故、前の日にあんなに絶好調だったのに試合では

ダメだったのだろう”と頭が混乱しているに違いない、

少し時間をおいて、もう少し詳しい話をしよう。





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