クレー射撃上達虎の巻 《よく見える照星に替えたら、当らなくなった?その1》

 



よく見える照星に替えたら、当らなくなった?



 今年の納会を1ケ月後に控えたK射場。


「チョットこれみてよ!」

Kさんがニコニコしながら自慢の銃を持ってきた、

イタリアの名銃Pである。


見ると長さが通常の数倍はあろうという照星が付いている。

オマケに驚くほど明るい。


購入した時から付いている標準タイプのものから替えたと言う。



「これで、Aクラス入り間違いなし♪」


意気揚々と射台へと向かって行った。


ところが2ラウンド撃ったあとの表情がどうも冴えない。

スコアを聞くと、アベレージを少し下回っている。


調子の良い、悪いの所謂“波”の範囲ではあるのだろうが…


Kさん曰く「スコアよりも割れ方が納得いかないんだ」


そこで3ラウンド目をTさんの後ろから見ると、

なるほどクレーをパターンの中心で捉えていないようだ。


いつもなら当たったクレーの7割から8割は粉々に割れるのだが、

そのほとんどが数枚にポロっと割れる程度である。

1点は1点なのだが、どうも合点がいかない様子である。

狙点はいつもと同じだと言う(実はこれが重要な意味を持つ)



マグネット式のため、容易に脱着できるので

私の銃につけて試してみた。



1ラウンドを撃ってみると確かに割れ方が違う、

22枚の内、木端微塵に割れたのは数枚でしかない。


なるほど、明るく見やすい、

いや“見えやすい”と言った方が適切か。


クレー射撃上達虎の巻 照星を見てはいけない!』

で述べたように

あくまでも照星は“見るもの”ではなく、

視野のなかに“見えるもの”である。


Kさんほどのベテランが照星を“見て”撃っているとは思えない。

目はクレーを追い、その視野の中に“良く見える照星”が映っているにすぎない筈である。


しかし、それが、より目立つ状態で視野のなかにあれば、

クレーとの位置関係を認識しやすいのではないか?、

ならば、一利あっても百害はないと思うのだが。


では、何故この“良く見える照星”でクレーが粉々に割れないのか???


その訳に気付いた方もいらっしゃるでしょうが……




『よく見える照星に替えたら、当らなくなった?その2』へ続く。