銃弾を手でつかみ取った男


 鉄砲の弾の速さはいったいどのくらいなのでしょうか?

銃の種類、口径、火薬の量などで一概には言えませんが、

拳銃や散弾銃では凡そ、300m〜400m/秒

ほぼ音の速さといったところでしょうか。


ライフルになると800〜900m/秒で

これを時速にすると約2800㎞/m前後。


これをなんと“手”でつかみみ取った男がいるんです。


時は第二次世界大戦のころ。

フランス空軍のパイロットが高度2000メートルで飛行中、

自分の顔の横で小さな物体が動いています、

昆虫だろうと思い彼はとっさにそれをつかみ取りました。


ところが、手の中のものは、

ドイツの戦闘機から発射された機銃弾だったのです。


900m/秒で発射された銃弾の飛翔距離は数キロですが、

そのままの速度を維持することはできません。


その最終点では40m/秒、

つまり時速144㎞ほどになり、

その途中のある場所では当時の飛行機の巡航速度と同じというワケです。


この時、弾はパイロットに対し、やっと動いているように見えるか、

止まって見えることになります。


流れ弾に当って命を落としたという話は聞いたことがありますが、

流れ弾をつかみ取ったというのは珍しい話ではあります。