クレー射撃上達 虎の巻 §2  《フォームの基本》







 今日は射撃の“型”について少し話をしてみましょう。



空手や柔道などの武道では“立ち姿、歩く姿が即武道である”という言葉があります。

筆者は週二回、近くの小学校の体育館で子供達に剛柔流の空手を指導しています。


平素の姿勢が悪いと型の動作の最中に無駄な動きやスキができるものです。


射撃でいえば、撃つ前の静的な形は作ることはできても、

クレーを追う動作中に乱れがでる、ということです。



腰から背骨が、ずーと上にのびている、その先、頭頂部のやや後ろから

ヒモが伸びて、そのヒモで常に上から引っ張られている自分をイメージしてみましょう。

自然と顎がひけ、胸が張り、肘は体側より前に出ることはありません、、

この姿勢で歩けば気持ちまでも高揚してくる筈です。


そして普段もこの姿勢を意識することに心がけましょう。


武道の達人立ち居振る舞いが美しいと言われる所以です。



それでもブレやスエーを防ぐのは難しいものです。




もうひとつ、空手にサンチンという型があります、“三戦”と書きます。


前、横、後ろからの攻撃に対処する型なのですが、人間は前進する時でも必ず

左右の重心移動があります、重心のかかっている足に攻撃を受ければあっけなく倒されるものです。


左右の重心移動を極力少なく、前後の重心移動を合理的にした三戦の歩の進み方を

体得すると足元に障害物がある暗闇でも普通とかわらない早さで歩くことができます。


 射撃では左右にきれるクレーを追うときに重心が移動し易いものです、


つまり体がブレる、所謂“スエー

といいますが、これは本人が気付きにくいこともあり、

なかなか厄介なものです。


他人に後ろから見てもらい、前のめりになったり、左右に回転した時に

肩の水平が保てないときは、一時的にスタンスを狭くするか、

左右の踵をくっつけてスウィングする練習が有効です。




そしてブレないフォームができるまで決してスコアを気にしてはいけません、

そのために足腰を鍛えるのは言うまでもないことです。


射撃フォームの“基本”を作るための“基本”です。





正しい姿勢に!