少女の身代わりになった“カナリア” ほか


世の中には実に不思議な話があるもので。


 アメリカのカディス夫妻は動物と人間の不思議な

心理的交流の実例を集めていることで知られています。


不治の病で入院生活をおくっていた少女に、

心優しい青年がオレンジローラーカナリアを贈りました。


籠の中のオレンジローラーカナリアは、

少女の枕元で毎日彼女を癒してくれました。


しかし、ある日そのカナリアは“カナリア”という重い病気にかかり、

数日後に死んでしまいました。


少女は慰めてくれる青年に、何度も何度も涙を流しながら言いました。

「あのカナリアは私の代わりになって死んだの、

死ぬ前の日、私にそう言ったのよ」


不思議なことに少女は次第に快方に向かい、

二か月ほど経つと退院したのです。





日本でも似たような話があります。


 Aさんが脳の手術を受けるという当日、

室内飼のため、それまで一度も外に出たことがない猫が

外に飛び出し帰ってこなくなったのです。


脳の手術はかなり危険が伴うために、

家族は医師から、万一のことも考えておくように、

と言われていたそうです。


しかし奇跡的に手術は成功。

その後行方不明だった猫が悲しい姿で見つかりました。

交通事故に遭ったらしく頭が潰れて死んでいたのです。


Aさんに、そのことを話すと、

「枕元で、ずーっと猫の鳴き声がしていた」と言ったそうです。





 またYさんのお父さんは冬の寒い日に外で寒さに震えている子猫を

拾ってきて、家族の一員としてとても可愛がっていました。

お父さんが帰宅すると、足音を聞きつけ玄関でお迎えをしていたそうです。


ある日、お父さんが緊急手術をすることになりました。

かなり危険な手術だったそうですが、

なんとか乗り越え、意識が回復したときに、

お父さんは、こう言ったそうです。


「さっきまで一人で暗い道を歩いている夢をみていた、

帰り道がわからなくて困っていると、目の前をウチのネコが

歩いてゆくんだ、時々立ち止まっては振り向いて待ってくれる、

そしてまた歩き始める、そのあとをついていったら目が覚めたんだ」


動物と人間は不思議な絆で結ばれているのかもしれませんね。