ペットと震災



震災後、避難所で飼い主と暮らすペット達の写真を見た。

憔悴した主人をみる彼らの目はその心を見透かしているように

「命が助かったんだもの、元気だしてよ」

と言っているかのようである。



また、膝の上、腕の中でやすらぐその姿は『御主人』の心を

どれだけ癒してくれるだろう。


だが、ペットのいない人達は勿論、

辛くも命をとりとめた“主従”にとってプライバシーのない

共同生活は快適であろうはずはない。


犬や猫を嫌う人もいるだろう、鳴き声はひんしゅくを買うやも知れぬ。

なかには猫アレルギーの人もいるかもしれない。


 沖合1.8キロの海上を漂う瓦礫の上から、3週間ぶりに

救出された犬『バン』


避難所での生活を余儀なくされている飼い主と再会をはたした時の

映像は多くの人の涙を誘った。


消えてしまったと諦めていた命の灯が燃え続けていたのである。

人間の感じる喜びでこれ以上のものはあるまい。


犬と人間、いや命と命の触れあう感動である。

“主従”ともに安心して暮らせる場所を得るには

山積する難問を乗り越えねばならない。


しかし、世界中の人々が驚嘆と尊敬の目で日本を見る〈復興の日

は必ず来る。

その日が一日も早く来ることを祈ってやまない。